2018年の総括をするには、まだ1週間以上残っているので時期尚早のような気もします。が、今年は仕事の上でもいろいろなことがあって、精神的に苦しい一年でした。いや、苦しいだけじゃないな。そのお陰で新しいことにも挑戦することができたし、これからのことも真剣に考えられた、とも言えます。でも、苦しかった(笑)。
その窮状は、現在もそれほど解消はしていませんし、先行きの不透明さも何も変わってはいない、というのが正直なところです。
とくにLINEスタンプを制作し販売し始めた、というのが一番大きな出来事だったかもしれません。売り物となるモノを作る、ということだけでなく、“商品を売る”ということの難しさみたいなものを、この歳(50を過ぎて)になって初めて実感しました。私の場合、サラリーマン生活に終止符を打ったのもクレイアニメーションの仕事がしたい、という理由からだったのですが、映像業界に属していたこともなかったため、なかなかその手の仕事にも恵まれずにいました。前職が出版物の編集やデザインがらみの仕事をして関係で、幸運にもそういった仕事をいただけたので、とりあえず生活に困ることはありませんでした。仕事が忙しかったりしたこともあり、最初の志が薄らいでしまったのもあると思います。粘土の仕事は単行本のカバーで使ってもらうオブジェ制作くらいで、アニメーション制作の仕事は皆無に近く、仕事とは関係なく自ら作り続けるということをしませんでした。真剣さが足りなかったんですね。本当にやりたかったのか、それすらあやしいことになってしまっていました。
たぶん今年、LINEスタンプを作り始めなかったら、こういった独立した当初の気持ちを思い起こすこともなかったのかもしれません。今まで比較的順調だった仕事がうまく行かなくなり始めて、自分に何ができるのか、と自問自答して出てきた答えがクレイアニメーションを作るということでした。CG全盛のこの時代に、ちくちくコマ撮りしているのってどうなんだ、っていう気持ちもどこかにありましたが、それしかできないですし。周りにどう思われているかは分かりませんが、やっぱり作っていると楽しいんですよね、掛け値なしで。
で、今回のブログのタイトル「ビジネスとは・・・」につながるんですが、今の状態だと到底“ビジネス”にはならない。商品を売って儲けを得る、という状態にはなりようもない。自分の「モノを作りたい」という欲求は満たしていますが、お金にはならない。
作りたいものは作れても、それをお金に換える術を持ち合わせていない。そういう人は少なからずいますね。逆にビジネスを成功させる人は、何が儲かるかという嗅覚みたいなものがあって、儲かるためには手段を選ばないというか、それがやりたいものかどうか、という基準ではなく、お金になるかどうかというところに価値基準が定まっている人なのではないかと思います。私はもちろん後者ではない、間違いなく。
作りたいものを作る才能に満ちたクリエイターとビジネスとして成立させる敏腕プロデューサーがタッグを組むことで大きなビジネスが生まれる。分かりやすい例えで言えば、宮崎駿さんの側には必ず鈴木敏夫さんがいた、みたいな。
才能があるかどうかは別として、ひとりでやっていくのも限界があるのかな、と思い始めています。こんな私に付き合ってくれる稀有な人もいないでしょうが。食えないですもんねぇ。
とめどなく書き連ねてしまいました。こんなことを常に考えていた2018年でした。
まだ「イノ吉」スタンプのリリースも始まっていませんが、次のLINEスタンプも作り始めています。今度はお相撲さんです。お楽しみに!
2018年12月24日
“ビジネス”とは・・・。
posted by nozomu at 00:25| Comment(0)
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